演劇・ライブ

2008年11月 2日 (日)

『ブルーマン』を観た

前から気になっていたパフォーマンス『ブルーマン』を観に行きました。

blueman.jpg場所は六本木、IT成金ビル・六本木ヒルズの横にある『インボイス劇場』。場所柄と時間帯のせいか、いかにも六本木ふさわしい格好をしたリーマンや、姐さんの客が目立ちました。

で、感想……

いやぁ、おもしろくて刺激的でした! と、いっても普通のショーのように、一方的に演技を観せられるというのではなく、前衛的パフォーマンスや、昔で言うところの『イベント』を、舞台のブルーマンも客も同じ空間で伴に楽しむという感じでした。ですから、受け身的なスタンスで観に来たお客はちょっと面食らったかもしれませんね。これ、アートですよ、アート。

この『ブルーマン』 なんでも、もともと『ブルーマン・グループ』というパフォーマンス集団とのこと。ですから、あの青い顔をした3人組も、日によって中の人が変わるんでしょうかね?まぁ、変わっても誰も気づかないと思いますが。

ちょっと気になったのは、客の中に「しこみの客」が結構いたこと。ブルーマンが客いじり(欧米のこの手のショーって、かならずやるよなぁ)をする客が、妙に段取りがいいのです。まぁ、これも演出のうちだと思えばそれはそれで気にもなりませんが、パフォーマンスってハプニング性があるからおもしろいんだと思っていた私は、ちょ~っと残念だったかなぁ…。まぁ、しかし、それ以上にショーがおもしろかったので、それもあっという間に帳消しになりました。

しかし、あの3人の表情。いいですなぁ……。この3人といい、サーカスのピエロといい、パントマイマーといい、ボディーランゲージが進化した欧米の人間の表情とアクションって、ほんと見ていて楽しいです。

ウィークデイは後ろの席が結構開いているようなので、当日券でも観られるようですよ。興味のあるかたは是非、ご覧になったら? ちょっとおもしろい体験ができますよ!(できるなら、前5列のポンチョシートがお薦め。ブルーマンの表情がよく見えます。ショーで使う液体もほとんど飛んできませんし)

2007年2月21日 (水)

ドラリオンを観た

先日の日曜日、原宿のビッグトップで催されていた太陽のサーカス(シルク・ド・ソレイユ)の『ドラリオン』を観てきました。

このドラゴンのイラスト、結構気に入ってます。(追記:これ、ドラゴンとライオンのキメイラなんだって)

今回観た『ドラリオン』は、前回観たヨーロピア~ンなファンタジー『アレグリア2』とうって変わったアジアンテイストのもので、出演者の8割がたが中国雑技団出身と思しきアジア人でした。もちろん中国雑技団な出演者ばかりといっても、そのテイストはやはりシルク・ド・ソレイユ。中国雑技団のような中華くささはなく、美術、音楽、演出とも欧米テイストの超1級のエンターテインメントでした。

しかし、中国雑技団ってスゲェよなぁ……。どうみたって小、中学生と思しき子供達が堂々と大人の鑑賞に値するスゴ技を披露している様は、中国4千年のエンターテイメントの底力を感じずにはおられませんわ。まぁ、あそこに到るまでにいかに多くの血と涙が流れ、特訓という名のシゴキの日々があったと思われますが……、あまり想像したくはないもんですな。

あと、彼らの演技って観ていて『失敗する気がしない』ところがすごい。反面、技のすごさや精密さを追求する分、欧米人のそれと比べて詩情が少ないところが、ちょっともの足りないかな。早いはなし、コマネチとチャフラフスカの違いとでもいいましょうか。(チャフラフスカって古くてわかんねぇか……)

いずれにしても、すばらしかったことには違いありません。そういえば、来年だっけ? 浦安のネズミー・シーにオーランドのネズミーワールドと同じようにシルク・ド・ソレイユがいつでも観られる施設ができるとか、できないとか。

 

*ラストのスーパー?縄跳びで失敗した子供達が一瞬ショボンとした顔を私は見逃さなかったぞ。(なかなか見られるもんじゃないので貴重でした(笑))

2005年12月18日 (日)

桂吉弥の冬景色

桂吉弥さんの『桂吉弥の冬景色』と題する落語会をP-MEDIAのO野さん達と一緒に観る(聞く?)。吉弥さんの落語に行くのは春の深川での独演会以来これで二度目だ。(夏もあったが仕事でいけなかった…残念) 今回の会場は『お江戸日本橋亭』という銀座三越の直ぐ近く。百人入るか入らないかぐらいの小さな会場でまるで公民館の一室のようだった。

*桂紅雀さんは吉弥さんの前座でした。

吉弥さんがNHKの『新選組!』山崎烝役を演じたせいか、立ち見が出るほど満員の会場の客のほとんどが若い女性達だった。開場は狭いのもあって演じる吉弥さんと客の間に距離がなく、その距離感が今までにない親しみ易いライブ感を醸し出していた。私はこういう『目の前で生身の人間が演じている』と感じさせるライブが大好きだ。(昔は全部こんなんだったんだろうなぁ…)

今回の出し物は『池田の猪買い』と『かぜうどん』。その話の前にちょっと挟む吉弥さんの世間話(枕というらしい)がとてもおもしろい。本人が体験した日常の何気ない出来事をおもしろおかしく話すのを聞きながら『話芸って表現力もさることながら、日常の洞察力も大切なんだなぁ…』なんて思ってしまう。

*写真はパンフレットより

吉弥さんの話が始まる――。 舞台には、あるはずもない世界と、居るはずもない愉快な人間達が突然現れて滑稽な人間模様を繰り広げる。吉弥さんは上方落語家なので江戸のそれと違って元気がいい。だから聞いているこちらの方までそのパワーが伝わってきて、そのパワーが『見えない人間達』の像のピントをよりいっそうハッキリと合わせてくれる。まさにアナログなバーチャル空間!デジタルなんかにゃ負けちゃいやせんぜ、旦那!(笑)

『落語』はおもしろい。聞き手の想像力をビンビンと刺激させる。最低限の知識(江戸時代の生活文化とか)がないと楽しめないのでは? と未体験の人は案ずる必要はない。落語は時代に関係ない『普通の人間たちの暖かさ(ぬくさ)』を描いている。高尚な芸術も良いが、『何気ない日常生活の中からでも人間のおもしろさを見つける事は出来る』ということを楽しく教えてくれる落語もなかなか奥深い。

話は変わるが、こういう舞台や演劇の客は圧倒的に女性が多いような気がする。たぶん役者に対するファン心理がその要因のほとんどかもしれないが、実はこういう文化を縁の下で支えているのはそのような世の女性達かも知れない。 ――なんて、会場を見回しながらふと思ってしまった。

落語にまだ一度も行ったことがない、そこのあなた。是非、一度行ってみられては? 今までにない『楽しさ』を発見できますよ。(行くなら吉弥さん、お奨めですよ)

 

――千疋屋の『一個315円のみかん』が食べてみたい文鳥(落語に行った人しかわからないネタ)

2005年10月19日 (水)

アレグリア2を観て

そこは王様の消えた世界
今、すべてが解き放たれ 権力と希望、傲慢と純真、
そして過去と未来が衝突し逆転する混沌の果てに世界が見出すものを
私達はまだ知らない。
(アレグリア2・ガイドブックより引用)

原宿のビッグ・トップで公演されているシルク・ド・ソレイユの『アレグリア2』を観にいった。

で、感想――

すばらしい!! その一言につきた。
シルク・ド・ソレイユの演技は基本的にサーカスの曲芸のそれを基本に置いているようだが、他のサーカスと根本的に違うのは、その完璧なまでの『世界観』だ。開演前のざわつく会場の中を謎のクラウン達がうろつき、観客を異世界へ誘う準備を始める。そして光と音と共に闇の中から摩訶不思議な世界が姿を現す――。既にそこにはサーカスの云々はない。あるのは闇の異空間から現れた不思議の世界の住人達が魅せる『肉体表現による歓喜(アレグリア)の技』だった。想像力を十二分に楽しませてくれるキャラクター達とその鍛えられた肉体、そして彼らが魅せる極限にせまる離れ技はエンターテインメントと芸術の狭間に存在する異世界の儀式のようだった。

詳しい舞台の内容はネタばれになる(それ以前に、この内容と感動を表現するうまい言葉がみつからない)ので控える。

写真はガイドブックより(2000円もしやがった。たっけ~!)

入場料が若干高いせいもあったのか、会場は大人達が目立った。でも、こういう作品こそ是非、子供達に見せ、『人間が持つ可能性とすばらしさ』をその小さな目に焼き付けて欲しいものだと思った。(その点『ポップサーカス』はお手ごろでいいですよ。もし、近くに来たら是非、ご家族連れで!)特に昨今の子供達は、大人達の思惑で、「偽の感動」や「情報の為の情報」づけにされていることが多くなったので、特にそう思ってしまう。

『子供達に、もっとサーカスを!』

最後にガイドブックに、ちょっと気になったコメントがあったので引用しておく。

私達は幻想を抱いてはいません。ストリートチルドレンが『アレグリア』を見ることはないでしょう。彼等にとって「笑い」は、手の届かない贅沢なのです。
だから今夜、私達の歓声は怒りの叫びとなるでしょう。
私たちが彼らのことを想っている間にも、何百万もの子供たちの心はさらに凍りついているのです。
『アレグリア』が、世のなかを変えたいと思っている人びとに刺激をあたえますように。   
フランコ・ドラゴーヌ(ディレクター)

う~ん……。確かに言いたいことはわかるけど、それってここで言うべきことなのかなぁ…? なんて思った。

 

――サーカス鑑賞を小学生の必須科目にすべきだ!と力説する文鳥