マンガ・アニメ

2011年7月 5日 (火)

「トワノクオン」と「コクリコ坂から」

twa-kokuriko.gif
「トワノクオン」(左) http://www.towanoquon.com/
監督:飯田馬之介/キャラクターデザイン・アニメーションディレクター:川元利浩/協力監督:もりたけし/シリーズ構成:根元歳三/コンセプチュアルデザイン:武半慎吾、出渕裕/ベスティアデザイン:水畑健二/美術デザイン:成田偉保、青井孝/デザインワークス:斎藤恒徳、吉岡毅、片貝文洋、鎌田誠/アクション監修:中村豊/色彩設計:水田信子/美術監督:根本邦明(草薙)/撮影監督:福士享、木村俊也(T2 Studio)/3D・CG制作・モニターグラフィックス:サンジゲン/編集:重村建吾
音楽:川井憲次/音響監督:若林和弘/音響効果:倉橋静男/アニメーション制作:ボンズ/製作:バンダイビジュアル、ボンズ、博報堂DYメディアパートナーズ、ショウゲート、ラ/
ンティス、ムービック、ソニーPCL/配給:ショウゲート/

「コクリコ坂から」右) http://kokurikozaka.jp/
原作:高橋千鶴、佐山哲郎「コクリコ坂から」(角川書店刊) /企画:宮崎駿/ 監督:宮崎吾朗 /脚本:宮崎駿、丹羽圭子 /プロデューサー:鈴木敏夫 /音楽:武部聡志(徳間ジャパンコミュニケーションズ) /提携:スタジオジブリ、日本テレビ放送網、電通、博報堂DYメディアパートナーズ、ディズニー、三菱商事、東宝 /特別協賛:KDDI /特別協力:ローソン、読売新聞 /配給:東宝 /アニメーション制作:スタジオジブリ

 

 この夏公開されるジブリアニメ「コクリコ坂から」は言わずと知れた宮崎駿氏の長男である宮崎吾朗監督による作品である。かたや「トワノクオン」は宮崎駿氏の弟子であり、氏と本音で話せる(歳の離れた)友人でもあった故・飯田馬之介氏の遺作である。

 宮崎吾朗氏と飯田馬之介氏。一見、なんの関係もなそうな二人だが実は共通点がある。それは「宮崎駿」という優秀なアニメ作家が持つ作品に対する考え方や表現方法、そして一人の人間としてのあるべき姿を常に考える氏の態度を尊敬し引き継いでゆこうという「強い意志」を持っているところである。

 吾朗氏がそうである事は、それを思わせるメディアでの彼の言動、ジブリ内での位置づけ、そしてそれが表面的な表現で終わった為に失敗作となってしまった前作の「ゲド戦記」から感じ取れる。しかし吾朗氏はタイヘンだ。「宮崎駿」という一作家の意思を継ぎたいという彼の純粋な想いも、自分がその作家の息子であるという理由だけで世間から他のアニメーターよりも5割増しに厳しく見られ、親の七光だとも揶揄される。「宮崎駿の息子の宮崎吾朗」というイメージから、「一アニメ監督の宮崎吾朗」というイメージを獲得する為の第一歩としても「コクリコ坂から」は彼の意志の強さが本物であることが試される正念場となるのだろう。

 一方の馬之介氏は、以前、私が氏と仕事でお付き合いがあった頃に本人から聞いた話や、作風(特に緻密な設定や良く動くアニメーション)からそれが感じ取れる。これは馬之介氏を良く知る私の友人から聞いた話だが、実は過去、馬之介氏にはジブリに入ってもらおうという話があったそうだ。馬之介氏は宮崎氏本人に向かって「俺は宮さんの意思を引き継ぐ!そして宮さんを超える作品を創ってみせる!」と宣言し、それに対して宮崎氏は「やれるもんなら、やってみろ!」と氏らしい?励ましのリアクションを返していたそうだ。しかし、実際は諸般の事情でジブリに入る話は流れ、その後馬之介氏はその想いをなんとか達成しようと孤軍奮闘されていたようだ。が、去年、残念なことに氏はその想い半ばで他界された。そして、その想いはそれを理解する氏の長年の仕事仲間達に引き継がれ「トワノクオン」というカタチになった。


 宮崎吾朗氏と飯田馬之介氏。「コクリコ坂から」と「トワノクオン」。それらの作品に込めた両監督の「想い」の原動力は同じものなのだろう。そして奇しくもその両作品が同じ年の夏に公開される。映画館によっては同じ館内での上映となる(例えば新宿の「バルト9」等)。 作品をビジネスとして捉えている関係者は作品評価や観客動員数が気になるところだろう。それはそれで現実だ。しかし、私にとってはそんな事より、両作品の向こう側にあるものを観てみたい。憧れの父を超えてゆきたいという宮崎吾朗氏の意志と、憧れの師匠を超えて行きたかった今は亡き飯田馬之介氏の意志を。

追記:意志を意思と誤記してたのを修正しました。

2008年1月25日 (金)

墓場鬼太郎~その後

ええ、毎週観てますとも。期待しながら。

2回目、3回目と観ましたが、う~ん……絵は悪くはないんだけど、ちょっとシナリオ・演出が原作を咀嚼しきれてないなぁ……という感じ。あと、余計なコミカルさはいらないかなぁ。(それは子供向けの明るい鬼太郎で十分です)

私が思うに、水木氏の漫画のドラマ展開には今風のメリハリの効いた技巧さは正直感じられない。淡々と進んでゆく絵物語ってゆーかんじ。だから、そのノリをまんまこのアニメに期待してもムリがあるのは分かっている。今の視聴者の嗜好に合わないからね。でもなぁ、そこをなんとかするのが脚本家の仕事だと思うんだけどなぁ……。原作のもち味を今風に物語るという。

いつも思うけど日本のアニメって、絵や演出の水準は世界トップクラスなのに(一部のアニメを除く)、シナリオがいまいちなんだよなぁ。ってゆーか、シナリオが足を引っ張ってるような気がする。アニメの定石に合ったシナリオじゃなく、『基本どおりにきちんと物語るシナリオ』が欲しい。きちんと基礎を勉強していない人たちが、成り行きでこの仕事についてんじゃないのかな?と勘ぐりたくなるよ。

シナリオがヘボいとアニメ監督やアニメーターもやってられないんじゃない?。西高東低ならぬ『絵高話低』ってかんじ。

でも、墓場鬼太郎、次回も期待してます。

2008年1月11日 (金)

おお、これぞ水木しげる氏の鬼太郎だ!


先週、木曜の深夜から『墓場鬼太郎』というアニメが始まった。

で、感想――

こ、これはっ!? これは私が幼少の頃に初めて体験した『怖い水木しげる』のテイストではないかっ! それも、せっかく明るく正義な鬼太郎のイメージを何十年もかけて確立してきたのに、それをあえてひっくり返すような真逆なダークな鬼太郎。私のような『墓場鬼太郎』を知っているおっさん達ならともかく、それを知らないで育った若い人達が抱く鬼太郎のイメージにどういう影響があるやもしれぬのに、あえて、『昔の怖いバージョンの水木しげるの鬼太郎』をアニメ化したそのスタッフ達の鬼太郎というか、水木しげるに対する愛情には正直驚いた。(しかし、よく企画が通ったなぁ…。よくやった、フジテレビ!)

絵のタッチも貸し本屋時代テイストで、声優人も初代メンバーが久々に勢揃い。これはマニアにはたまりませんぜ。

しかし、今でこそ水木しげる氏が描いてきた妖怪達は『愛すべきキャラ』として市民権を得ているが、私が子供の頃に観た氏の描く妖怪達の絵は、ただの絵ではなく、水木氏がどこぞで本当に見てきたかのような『妖怪のスケッチ』のように見えたので、まじ、怖かった。ただ、その怖さは絵のタッチという物理的な怖さもさることながら、『オマエが信じれば本当に現れるんだぞ』という見ている者の心の中に強迫観念を発生させるような絵に込められた『妖気』みたいなものにもあった。その影響かは知らぬが、実際、私は小学校1年の時に田舎の田んぼの夜道を一人で歩いていて、『後追い小僧』に追いかけられた体験がある。いや、その妖気によって体験させられた、というのが正確か。

このアニメが今後、どのようなコンセプトで語られて行くかは分からぬが、もし企画者が私と同じ『水木しげる体験』をしたことがある人達なら、明るい鬼太郎で登場してきた明るい妖怪達ではなく、『もうひとつの妖怪達』の存在を視聴者に体験させてくれるだろう……と、期待したい。

2007年5月20日 (日)

「海のトリトン」の最終回~我がトラウマ

「海のトリトン」は私が中学2年の頃、その独特のシナリオと演出にはまり毎週かかさず観ていたアニメだったが、その最終回はすこぶる納得ができない内容で観終わって腹を立てた記憶がある。

あれから数十年たち、その最終回がYoutubeでアップされていた。あの頃、子どもだった私が何に腹をたてていたのかを、もう一度今の大人の目線で確認したくなったので観てみた。

【注】クリックしても動画は始まりません。Youtubeへとびます。

で、大人の目線で観てみた感想―― (注:かなり辛口です)

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2007年5月 4日 (金)

細田版「時をかける少女」を観た

アニメ版『時をかける少女』のDVDが出たので観てみた。なんでも、作品の評価が高く、去年いろんな賞を総なめにしたそうだ。

 監督 細田守 /製作 角川書店/マッドハウス /脚本 奥寺佐渡子 /キャラクターデザイン:貞本義行/美術監督:山本二三/音楽:吉田潔/主題歌:奥華子/出演者 仲里依紗 石田卓也 板倉光隆 原沙知絵 谷村美月 垣内彩未 関戸優希 /配給 角川ヘラルド映画 /公開 2006年7月15日

 で、感想――。

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2007年3月21日 (水)

宮崎駿監督の新作

宮崎駿監督が来年の7月に、『ハウルの動く城』から4年ぶりの新作を公開するそうだ。 タイトルは『崖の上のポニョ』

例によってヒットのげんを担いで、タイトルに『の』の文字が入ってますな。

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なんでも今回の作品は宮崎氏曰く『緻密(ちみつ)じゃなく子供が描いたような新しい絵で、アニメ本来の楽しさを出したい』とのこと。CGをいっさい使わず、すべて手描きでやるそうだ。 まぁ、今もアニメ表現の主流は原画、動画、背景は手描きによるものなんだけど、公開された画像をみるかぎりでは、そのような手描きの意味とはちょっと違っていて、『絵本タッチ』というか『手描きだから生まれる人の暖かいタッチ自体』を表現の核とするようだ。

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2006年10月 4日 (水)

アニメ版『デスノート』を観た

(C)大場つぐみ・小畑健/集英社・VAP・マッドハウス・NTV

深夜にやっていたので観てみた。

で、感想――。

絵のクオリティーは高いなぁ~。テーマソングはありきたりだなぁ~。演出は、演出家か監督の『想い入れたっぷり』が臭って、ちょっと鼻につくなぁ~――ってな感じ。でも、毎週観るかも。たぶん。

2006年8月24日 (木)

遅ればせながら『のだめカンタービレ』

友人に『”ピアノの森”もいいが、これもおもしろいから読め!』と薦められ渡された漫画『のだめカンタービレ』全巻。

のだめカンタービレ (15)

のだめカンタービレ (15)

  • 作者: 二ノ宮 知子
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2006/06/13
  • メディア: コミック

薦められたときは、正直、気がすすまなかったのだが(私は少女漫画が苦手なのだ…)、最近読み始めて……はまった! おもしろ! まだ、全巻は読みきってないが、今度の休日には読破したいと思っている。『ピアノの森』はページから『ピアノの音』が聞こえてきそうな錯覚におちいるほど、その表現力が秀逸だったが、このカンタービレも”ピアノの森”に負けず劣らず『音楽大学の音』が聞こえてくるような錯覚におちいらせるほど秀逸だ。ストーリーもコミカルでかつ繊細。いやぁ、ヒットする作品って、やっぱヒットする理由があるんだなぁ……って、あたりまえか。

ピアノの森―The perfect world of KAI (12)

ピアノの森―The perfect world of KAI (12)

  • 作者: 一色 まこと
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2006/04/21
  • メディア: コミック

ところで、今日知ったのだが、この『のだめカンタービレ』、10月からフジテレビの『月9』のドラマになるんだってね。なんでも、ヒロインの野田恵役は上野樹里、千秋役は玉木宏ということらしい。う~ん、イメージ的にはどうなんすか、原作ファンの皆様方? めぐみ役の上野樹里はちょっと線が細くない? ま、どうでもいいけど。(じゃぁ書くなよ) 驚いたのがシュトレーゼマン役が竹中直人! 正直、狙いすぎだな(笑)

いずれにしても、ちょっと観てみたい気にはなりました。

フジテレビの『のだめカンタービレ』のサイトは → こちらから

 

【追記】この漫画は去年?TBSでドラマ化が進んでいたらしいが、とある事情(**ニーズ事務所絡み)で原作者の逆鱗に触れ中止になったといういわくつきらしい。

2006年7月28日 (金)

宮崎アニメの原点~『王と鳥』を観た

宮崎駿氏や高畑勲氏をアニメーションへ誘ったというポール・グリモー監督の『王と鳥』(「やぶにらみの暴君」改作)のDVDを購入し鑑賞する。

スタジオ・ジブリの『王と鳥』の紹介サイトは → こちらから

王と鳥

王と鳥

  • 出版社/メーカー: アイ・ヴィー・シー
  • 発売日: 2003/05/25
  • メディア: DVD

で、感想――

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2006年6月25日 (日)

デス・ノートを読んだ

映画を観て原作が読みたくなった私だったが、幸いなことに友人が全巻持っていたので超~遅ればせながら読ませてもらった。

Death note (11)

Death note (11)

  • 作者: 大場 つぐみ, 小畑 健
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2006/05/02
  • メディア: コミック

で、感想――。

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