ゲーム・業界

2010年12月12日 (日)

飯田馬之介さんの思い出~おいら宇宙の探鉱夫

 私が「ワンダープロジェクトJ~機械の少年ピーノ(以下、WPJ)」(1994年)を制作していた頃、ほぼ同時に飯田馬之介さんはOVA「おいら宇宙の探鉱夫(以下”おいら~”)」を制作されていました。その頃、私と飯田さんは毎週のようにファミレスで仕事の打ち合わせや、情報交換、そして世間話をしていました。そして、その時に飯田さんから彼の作品である「おいら~」に対する想いをお聞きすることがありました。

おいら宇宙の探鉱夫 [DVD]おいら宇宙の探鉱夫 [DVD]
  • 出版社/メーカー: ソフトガレージ
  • メディア: DVD

 「おいら~」は御存じの方もいらっしゃっると思いますが、宇宙描写の緻密さからSFファンの間で非常に高い評価を受けたOVAでした。しかし、商業的には失敗に終わっており、全6話の構想がありながら制作されたのは2話分のみでした。以下、私の記憶の範囲ですが飯田さんが「おいら~」に込められていた想いの一部をご紹介します。
(もちろん当時の言葉とは違うかもしれませんが、内容はあってると思います。違ってたらゴメンね>飯田さんへ (^^ゞ))

『混迷し先が見えなくなった大人達の社会の中で、”働く喜び”を素直に受け止めようとする健気な少年を描きたかった』

 「”働く”という、とても根源的で単純な喜びを少年(南部牛若)の目を通して描きたかった」と、飯田さんはそのような事をおっしゃってました。大人から仕事をまかせられ、責任というものを与えられ、そしてそれを失敗をしながらも一生懸命にこなし、大人に認められ育ってゆく…。いっけん普通の設定に聞こえますが、その普通のことに憧れる少年が今の時代(1994年当時)はちょっと少ないのではないか? 大人たちも社会の混迷を理由にその価値をちゃんと伝えてないのではないか? そんな普通のことの大切さをあえて宇宙で生まれ育った少年「牛若」に体験させることで「働くことの意味」を表現したいとおっしゃってました。なんか、混迷する今の日本を予言してたような気もします。その影響かどうかは分かりませんが、この頃の飯田さんはWPJ用の動画の受け渡し袋に「はたらけ」というメッセージを(おふざけで)つけて私に渡してました(笑)。(下の写真参照)
(ちなみに拙作のWPJの主人公のピーノの設定はこの頃飯田さんと話してた「少年」のイメージの影響を受けています)

 

hatarake-ida.png

ushiwaka-pino.png
(【誤】左:機械の少年ピーノ → 【正】右:機械の少年ピーノ)

 

『”おいら~”の最後の回で、少年の牛若に宇宙に広がる大海原を観せようと思うんです。宇宙で生まれ育ち、一度も地球の海を見たことがない少年が宇宙でそれを見て、ときめくんです』

 このような話を聞いた時は、飯田さん的には設定の詳細はまだ決められてなかったようですが、でも、とにかく牛若に海を見せたい! とこだわっておられました。「海って、地球の海と見た目が同じものなんですか?」と私が訊くと、飯田さんは「はい」と答えられました。「宇宙で地球の海をどうやって表現するんだろう? あと、なんで宇宙で海を少年に見せたいんだろう?」当時の私は彼のそれらのこだわりに興味津津でした。そしてそのこだわりの秘密はいつか作品で知ることができるだろうとも思ってました。しかし、それを知ることはついにかないませんでした…。

 その他にも、飯田さんは私に「おいら~」に対するたくさんの想いや構想を語ってくれました。しかし、残念ながら16年も前のことなので(彼には申し訳ないですが)ほとんど失念してしまいました。でも、何故か上記のふたつの想いだけは今でもはっきりと覚えているのです。何故か……。

2010年11月28日 (日)

飯田馬之介さんの思い出

 アニメ監督で、拙作のワンダープロジェクトJシリーズの制作にも協力していただいた飯田馬之介(本名:つとむ)さんが2010年11月26日14時36分、肺がんのため永眠されました。享年49歳でした。闘病の状況は関係者から間接的に聞いておりましたが、やはりショックです。

飯田さんのご冥福をお祈りしつつ、昔(2004年頃)、自分のサイトで書いた飯田さんとのエピソード記事をもう一度アップし故人を偲びたいと思います。

------------------------------------------------------------------
 アニメーション監督である飯田さん(「天空の城ラピュタ」での助監督、「OVA版デビルマン」「おいら宇宙の探鉱夫」「ガンダム08MS小隊」「タイドライン・ブルー」…等で有名)は、Jシリーズのもうひとりの生みの親といっても過言ではないでしょう。彼の助言なくしてはピーノもジョゼットもコルロ島の仲間も生まれてなかったかもしれません。

 飯田さんとの出会いは、エニックス時代の私が某アニメプロダクションでゲームの打ち合わせをしている時に何気なく言ったひとことがきっかけでした。『宮崎駿さんがTVゲームを作ったらスゴイだろうなぁ。一度お話をしてみたい』と。するとそれを聞いたプロダクションの社長が、『それじゃ、飯田くんに聞いてみようか?』とたまたまアニメの打ち合わせに来ていた宮崎駿氏のお弟子さんで友人でもある飯田さんを内線で呼んだのです。しばらくすると人の良いやさしい目をしたトトロのような(トトロのモデルという噂もあります)大柄な飯田さんがヌッと目の前に現われました。飯田さんは社長から用件を聞くとごく普通に宮崎氏に携帯電話で連絡をとり『じゃあ、**日に宮崎氏に会いにゆきましょう』と段取って下さいました。『えっ?マジ?』 私は嬉しさと驚きとなんとも言えない緊張感を覚えたと同時に、この飯田馬之介さんの気さくさに只ならぬに興味を持ってしまったのです。
 
 約束の日、私は飯田さんに連れられて『ニ馬力』(宮崎氏の仕事場)へと向かいました。そして玄関から顔を出した宮崎氏は飯田さんと私の顔を見比べながら飯田さんに開口一番『弟さん?』とおっしゃいました。実は飯田さんは宮崎氏に私の素性をあえて伏せておいたようなのです。なぜなら宮崎氏は大のTVゲーム嫌い。もしゲーム会社の人間を連れて行くと言おうものなら門前払いは必至です。つまり、私がとにかく宮崎氏と話しがしてみたかったのを察した飯田さんが気を利かして下さったのです。ですから最初はニコやかに話をしてくださった宮崎氏も、私がゲーム会社の人間とわかった瞬間、顔色が変わってしまったのは当然です。そしてゲームに対する痛烈な批判が始まります。宮崎氏の発言はただのゲーム批判ではなく『受け取る子供たちの事を君達はちゃんと考えてるのか!?』という教育論的見地にたった本質を突く鋭いものだったので、私はろくな反論もできず(できるわけないっつーの)『嗚呼…ぼくは宮崎氏の大ファンなのに、日本で1番宮崎氏に嫌われたファンになっちまったなあ…』と、いい歳をして半べそをかいてしまいました。するとそんな私を見かねてか?飯田さんが『でもね…』と宮崎氏に対してゲーム擁護の援護射撃的反論をして下さったのです。そして、私はお二人の質の高い討論の場を見学することとなったのです。たぶん、宮崎氏、飯田さんにとっては日常的な討論だったかもしれませんが、当時の(今も?)『表面的なことしか考えないゲーム業界』にいた私にとってはとても新鮮に感じられました。(後で聞いた話ですが、飯田さんも最初から宮崎氏とさしで討論ができたわけではなく、並々ならぬ勉強(アニメ以外も)をされた結果、できるようになったそうです) この出来事をきっかけに私はアニメだろうがゲームだろうが、その表現方法を語る以前に『まず人として』きちんとして学び考えなければならない事があるんだなあ…と思うようになりました。

 それから数年後、『ワンダープロジェクトJ~機械の少年ピーノ』の企画が立ち上がります。ゲームの性質上キャラがたたないといけません。それで『アニメでいこう!』ということになり、以前お世話になった飯田さんに協力していただくことになりました。彼にはいろいろ教えていただきました。世界観、キャラの作り方、製作者としてのスタンス…。そう、『きちんと作品を作ることの大切さ』を。

 Jの開発中のことです。SFC(スーパーファミコン)のROMの容量のせいもあり、ピーノのアニメデータが足りなくなってしまいました。それで、ゲーム制作の現場ではよくあるデータカットとなり飯田さんに『容量が足りないので、ピーノの動画を*コマ内で書いてもらえませんか?』と相談しました。すると彼は『僕らアニメーターはよい動きを作りたくてがんばってるんです。コマ制限をすることは僕らを使う意味がないし、それにゲームにとっても良くないのではないですか?』と忠告して下さいました。『正論だ…。でも、物理的に無理だ。ああ、容量さえあればなぁ…』 板ばさみになった私は当時Jの担当だったF君と相談しある賭けにでました。実はJの開発中に任天堂からSFC用の大容量のROMが開発されていたのです。それを使うとアニメデーターは入ります。(当然ながら商品単価も上がりますが) 私たちは『飯田さんを信じて、まだカットしていないピーノの歩きのアニメーションをT氏に見せ判断を仰ごう』としました。T氏とはドラゴンクエストのプロデューサーであり、当時のエニックスのゲームソフト開発の総責任者でした。T氏からOKがでればそのROMを使える可能性があったのです。

 そして、カットなしのピーノの動きをT氏に見せました。その結果は…飯田さんの言ったとおりでした。生き生きとした動きに対してT氏の評価は高く、これで作品が良くなるのならよいだろうと異例のROMアップのお許しがでたのです。その後、S社の某有名編集長の目にも止まり、このゲームをS社のゲーム雑誌で応援してくださることになったのです。『プロジェクトJ』というコードネームで。つまり、飯田さんが言っていた『きちんと作品を作ることの大切さ』が勝利したのです!

 きちんと作品を作る…つまり、それは『創作と人に対する真摯な態度』でしょう。私は、飯田さんから大切なことを学びました。ただ、その精神は必ずしも物理的な利益(金)にはつながらないかもしれません。それでも大切なのはその精神を持ち続けることでしょう。そう、続けること…。それが『プロのプライド』なんだと私は思っています。とても難しいですけどね…。(ある意味、闘いですね。人生の。(笑))

 その後、「ワンダープロジェクトJ~機械の少年ピーノ~」は、その可能性を評価され続編のチャンスを得ることになりました。続編のJ2も飯田さんのおかげで優秀なアニメスタッフに恵まれよい作品作りをすることができました。Jシリーズはプレイヤー自身が『プレイヤーさん』というキャラになり、ゲームの外からゲームの中のキャラ(ピーノ)を成長させてゆくというものでしたが、実はこのシリーズの制作において1番成長させてもらったのは私自身だったのかもしれません。 『飯田さん』という名まえの『プレイヤーさん』に。

 

        image.png
------------------------------------------------------------------


以下は飯田さんの代表的なオリジナルアニメと漫画です。時代や流行におもねらず、常に良い作品を創りを目指されておりました。

タイドライン・ブルー 1 [DVD]

タイドライン・ブルー 1 [DVD]

  • 出版社/メーカー: バンダイビジュアル
  • メディア: DVD

おいら宇宙の探鉱夫 [DVD]

おいら宇宙の探鉱夫 [DVD]

 
機動戦士ガンダム宇宙(そら)のイシュタム (1) (角川コミックス・エース)

機動戦士ガンダム宇宙(そら)のイシュタム (1) (角川コミックス・エース)

  • 作者: 飯田 馬之介
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2003/11
  • メディア: コミック

銀色の髪のアギト 通常版 [DVD]

銀色の髪のアギト 通常版 [DVD]

  • 出版社/メーカー: メディアファクトリー
  • メディア: DVD
  • 飯田さんの原案の作品です

以下、原作もの機動戦士ガンダム 第08MS小隊 5.1ch DVD-BOX  (初回限定生産)

機動戦士ガンダム 第08MS小隊 5.1ch DVD-BOX (初回限定生産)

  • 出版社/メーカー: バンダイビジュアル
  • メディア: DVD

機動戦士ガンダム第08MS小隊U.C.0079+α 1 (角川コミックス・エース 105-5)

機動戦士ガンダム第08MS小隊U.C.0079+α 1 (角川コミックス・エース 105-5)

  • 作者: 飯田 馬之介
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2007/07/26
  • メディア: コミック 
デビルマンOVAコレクション [DVD]

デビルマンOVAコレクション [DVD]

  • 出版社/メーカー: バンダイビジュアル
  • メディア: DVD

 

【追記】
・関係者しか分からない表現があったため、一部加筆、修正いたしました。
・飯田さんの作品を紹介させていただきました。
・飯田さんの葬儀の後、関係者の食事会にも出させてもらいました。飯田さんのマネージャーさんの紹介で宮崎駿氏とちょっとお話させていただきました。昔、叱られた経験があったので緊張しましたが、氏には昔の厳しい面影はもうなく別人のような優しい眼差しで話してくださいました。氏の本当の人柄を観たような気がしました。(11/30)
故・飯田馬之介さんの葬儀の写真が葬儀委員の「なみきたかし」氏のBLOGにアップされてました。(12/3) http://bit.ly/evgO3v

2010年10月 1日 (金)

「スタジオ・森のげえむ屋さん」サイトオープン

site-mori-game.png

オープンしました。

スタジオ・森のげえむ屋さん
http://www.mori-game.com/index.htm

「スタジオ・森のげえむ屋さん」はゲームデザイナー米田喬を代表とするプロで構成される制作ユニットです。

テレビゲームの企画・開発はもちろんのこと、長年のゲーム開発で培ってきたノウハウを活かした、楽しく、便利で、心に響くユニークなエンターテイメントアプリやサービスシステムの企画、開発も目指しております。

今、テレビゲームはひとつの時代を終え、新たな時代を迎えようとしています。同時にそれはテレビゲームが培ってきたノウハウがゲーム以外の場所で応用され始める時代の始まりでもあると考えております。

「スタジオ・森のげえむ屋さん」はそんな新たな時代がもつ可能性と夢に向かって、ゆっくりと、力まず、マイペースで歩き始めて行こうと思っております。

今後ともよろしくお願いいたします。

2010年2月19日 (金)

「フレフレ☆ランナー」の試み

久々に近況をば……。

実は去年末から今年にかけ、ちょっとある試みに挑戦していました。

furefure.gif
企画:森のげえむ屋さん プログラム:(株)コードアスリート

それは「フレフレ☆ランナー ~日本縦断編~」(以下、フレフレ☆~)というmixiアプリです。知人のプログラマーさんと、デザイナーさんの3人で自腹で実作業1カ月で作った実験作です。(仕様の準備を入れると2カ月弱ですが)

ちなみにこの作品はゲームではありません。「応援しあうという行為でマイミク(友人)を繋げる」をコンセプトとした「ソーシャル・アプリ(エンタメツール)」です。しかし、画面があまりにゲームっぽいことと、カテゴリーを「ゲーム」にしてしまったため多くのユーザーに誤解を与え「遊べない!」等の辛い評価をいただきました。しかし、その一方で、この作品の試みを理解、共感していただいたユーザーの方も多く、mixiという「ソーシャルな場」のユーザー層の厚さと広さに驚きもしました。評価も賛否両論と真っ二つに分かれました。(昔から私が企画するコンテンツはいつもそうですが…(苦笑))

私はゲーム屋なので、ゲームはどうあるべきかは理解していますし作ることもできます。(実はフレフレ☆~企画の初期段階はかなりのゲーム性が盛り込まれていました) それなのにあえて、このような「ゲーム性のない」コンテンツに挑戦したのは、ソーシャルアプリの可能性を、「自ら作るという行為」で体感したかったことと、進むべきソーシャルアプリの方向性のヒントを得たかったからです。その為には「既存のゲーム性という安全パイ」を極力排除し、そこから何が生まれるか?という試みが必要でした。まぁ、自腹で作ったことと、アプリが無料である、という条件があったからこそできた「前向きな無謀行為」ではありますが(苦笑)。

反省も含め、正直なところ、今回のフレフレ☆~は、ソーシャルアプリの新しい試みとして多くのユーザーに理解され楽しんでもらえる完成度ではありませんでした。しかし、多くの方々のアドバイス、意見が、これからの進むべきソーシャルアプリのヒントになったということは、大きな成果だったと思っています。(実験的なのにmixiに推薦されたことや、某ベンチャーキャピタルの会社に大きな興味を持っていただいたことも、そのひとつでした)

今、コンピュータゲームを含むデジタルエンターテイメントは大きな変化の時代を迎えようとしています。それは過去30年にはなかったほど大きなものです。それは言いかえれば30年前と同じ「新しいエンターテイメントの可能性」の時代と似ています。可能性はカタチにしてゆかないともったいないですね。そのためには「~とはこういうものだ」的固定観念を一度見直す必要もあると思っています。 コンピュータやITを使ったデジタルエンターテイメントメディアが「古典芸能」になっては不健康だとも思っています。

たまたまこの記事を読んでくださった同業の若きクリエイターさんたち! 今、この時代はチャンスの時代です。30年前と同じような。挑戦以外の選択肢はありませんよ。大いにトライして面白い時代を作っていってください。なぁ~に、できますって! 私みたいな50を過ぎたおっさんクリエイターもまだやろうとしているんですから(笑)。

 

追記1 :「フレフレ☆ランナー」は現在もmixiアプリにて公開中です。ご興味のある方はお試しを。

追記2:「フレフレ☆ランナー」の開発にあたり、忙しい中を無償でキャラデザをしてくださったIさんのご好意に、心より感謝いたします。ありがとうございました。

 

みんなとつながるmixiアプリパーフェクトガイド (SAKURA・MOOK 51)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 笠倉出版社
  • 発売日: 2010/02/24
  • メディア: 大型本

 

2010年1月 1日 (金)

「森のげえむ屋さん」2010年 オープン

morrige01.png

創作で考えた会社を、現実にします。

小ぶりでも心に響く楽しいコンテンツを彼らが作ってゆきます。

ご期待ください!

2009年10月23日 (金)

DCEXPO2009へ行ってきました

日本科学未来館で22日から始まったDCEXPO2009へ行ってきました。DCEXPOとは「デジタルコンテンツ技術について、最新の研究成果や芸術作品を体験できるイベントを多数集め、子どもから専門家までが楽しく学ぶことのできる国際的イベント」ということだそうです。

expo-kagakukan.gif

「テレビゲームはテクノロジーの落とし子である」という自論を持つ私としましては、こういう技術展には閉塞気味のゲームショーよりワクワクと興奮するものを感じます。それでは、ほんの一部をご紹介いたします。

expo-kaizyo.gif
◆会場の様子

expo-water.gif 
◆この水は床に敷かれたクリーンに投影されたものですが、人の歩きにあわせて水の波紋や水流がおこるというものです。

expo-VR.gif
◆宇宙人ではありません。最新のVRのヘッドマウントディスプレイを装着した人です。私も試してみましたが、なんと自分の腕がVRの世界にリアルに再現され、タイムラグもほとんどないという一歩先を行ったものでした。う~ん、はやくこのシステムでファンタジー世界を冒険したいよ~。

expo-stereoclub.gif
◆友人のO野さんが参加されている「ステレオクラブTOKYO」も出品されてました。ちょっと分かりずらいですが、特殊なメガネをかけなくても映像が飛び出して見えます。

expo-saiver.gif
◆介護目的のロボットスーツです。有名ですね。軍事に利用すればパワードスーツにもなります。さらにパワーアップして空が飛べればアイアンマンになれます(笑)。これ、すごいのは人間の脳からのパルスや筋肉の微電に反応して動くところです。外人記者が試されましたが、驚いていました。ちなみにこの技術を開発した筑波大学のチーム名が「サイバーダイン」。ん? どこかで聞いたことがあるようなないような……。

expo-game02.gif
◆これは人差し指と親指でつくった輪の影を下のディスプレイに落とすと、なんとその影が攻撃物体に変化し、さらに指の開閉で弾が発射することでシューティングゲームができるというものです。ゲーム性はともかくとして「とても新鮮」で、小さな子供がいる親子連れが夢中になってプレイしていました。微笑ましい。なんか、そのうちゲーセンに登場するかも。たぶんセガから(笑)

expo-game01.gif
◆タッチスクリーンを使ったホッケーゲームです。今となってはそんなに新しさを感じなくなったタッチスクリーンですが、操作性は抜群ですね。そのうちゲーセンに登場するかも。たぶんセガから(笑)

expo-ART.gif
◆これは布に投影されたCGの模様の凹凸に連動して、布の後ろにある突起物がその凸凹に対応してリアルタイムに動くという、ちょっとアートっぽいものでした。でも、正直、CGの模様があまりにアートすぎてどこが凸でどこが凹なのかわからなかったので、係のロンゲのお兄さんに「もっと凸凹が分かりやすいCGにすればよかったのに」と意見をしたら、そのお兄さんは「私もそう思ったのですが…」と言いながら、この作品のリーダー(教授?)と思しき年配の男性にやるせない目をやったのが、ちょっとおかしかったです。

expo-AR.gif
◆出ました。最近流行りのAR(拡張現実)ものです。左はARペット系。右は存在しない物体を手に持ったデバイスの振動で感じ動かすというもの。そういえば、ちょい前にPS3でAR系の技術を使ったカードゲームの企画がありましたが、あれどうなっちゃったんでしょうね?

expo-3Dgame.gif
◆今回の会場で特に私が驚いたのが3D映像(ポリゴンじゃなくて、飛び出す映像のほうね)の技術進化でしょう。なんか「浦島太郎」になったような気がしました。左はメガネをつけて遊ぶ3Dゲーム。右はメガネをつけず裸眼で飛び出て見えるスゴイ3Dのディスプレイ。いずれもディスプレイの価格が高くて一般市場には簡単に投入できないとのこと。ちなみに左のディスプレイは30万円ぐらいだそうです。右は高すぎるのでイベント用を想定しているそうです。

expo-3D360.gif
◆え~、写真がうまく撮れませんでしたので変わりに説明用のボード写真で。ええ、説明されている通りのものです。まさにスターウォーズの世界です。(フォログラフィーじゃないけどね)

その他にもいろいろありましたが、特に大学の研究室の学生さんたちが発表したものは、ユニークで楽しいものが多かったです。写真を撮るのを忘れちゃいましたが、うけたのは「口臭を使ったシューティングゲーム」。これ、チューブを咥えて息を吹くことでスクリーンに映った敵を倒すという、「臭いセンサー」を応用したシューティングゲームなのですが、おかしかったのは「口臭が強ければ強いほど、発射する弾のパワーが増大するというところ。まるでゲーム専門学校の生徒が考えそうなアイデアに思わず失笑したらバカにされたと思ったのでしょうか? 係のお兄さんがちょっとムッとされてました。
(ちなみに、その日の夜のTBSのニュース番組でそのゲームが取り上げられていました)

今回、ご紹介したのはほんの一部。もし、興味のある方は是非行かれることをおすすめします。特にゲーム業界を目指す若い方々は行った方がいいでしょう。得るものは大きいですよ。テレビゲームはテクノロージの「面白さ」をエンターテイメントという方法を使って変換したものですから。

2009年10月 2日 (金)

レトロゲームにこだわるフランスの出版社

先週の日曜日(9/27)の話ですが、「熱血硬派くにおくん」や「ダブルドラゴン」の作者である岸本さんから、あるパーティー(懇親会)に御呼ばれされました。パーティーはフランスからやって来たフランス唯一のゲーム専門出版社「ピクセンラヴ・エディション社」のスタッフが主催するものでした。(多分、TGS取材の打ち上げも兼ねてたんでしょう)。場所は新宿3丁目にある「エイトビットカフェ」という80年代のレトロゲームをコンセプトにしたバーでした。

8bcafe02.gif

で、この店がいい! 店内は80年代初頭のゲーム関連グッズに満たされ、ゲーム業界黎明期を生きてきたおっさんゲームクリエイターには涙もんです。いるだけで、あのヤクザな日々(笑)にタイムリープしてしまいます。

8bcafe01.gif
◆店の入口のデコレーション。やっぱ80年代黎明期はマリオだよなぁ。デザインも左の小さいマリオだよなぁ。右のかわいいマリオは正直、嫌い。だって、マリオって「配管工のおっさん」だろ。

8bcafe04.gif
◆おお、パワーグローブ!パックスの力!

8bcafe07.gif
◆故・横井軍平さんの「バーチャルボーイ」もありました。

8bcafe06.gif
◆FC版「魔界村」に興じるフランスのスタッフ達。写真には写ってませんが、TGS帰りと思しきのロリコスプレをした一般客のお姉さんたちが、そのプレイの模様をジッと見ていました。

で、パーティーですが、岸本さんに対するフランススタッフの人気は半端じゃなく、「くにおくん」や「ダブルドラゴン」がいかに欧米でもヒットし、子供の頃の彼らに影響を与えたかを物語ります。私も岸本さんの先輩?ということでインタビューされました。くれぐれも日本の恥にならないように「立派なこと」を言うように努めました(笑)。(追記:ちゃんと真面目に答えましたよ (^^ゞ)

8bcafe03.gif
◆インタビュー風景

あと、会場には、私がファンだった、あの「ラブデリック」の元メンバーの木村さん倉島さん、私と同年でNINTENDOディスクシステムの「任天堂バレー」を作られた橋下さんもみえられ、お話することができて、とても有意義な時間をすごすことができました。

最後に、ピクセンラヴ社の代表であるフロランさんから、お土産に自社本をプレゼントされました。

8bcafe05.gif

この本、任天堂の液晶ゲーム(ゲーム&ウオッチ)を特集したもので、その内容の濃さと完成度はハンパじゃありません。「日本で売らないのですか?」と私がフロランさんに訊いてみたら、「いろんな方々に協力してもらいましたが、いろいろと理由があって無理なんです」とおっしゃいました。もったいない。

今の日本では、一部のマニアな方々しか相手にしてくれなくなった70年代後期から80年代初期のレトロゲーム。それが、遠く離れたフランスで脚光を浴びていることが不思議でなりません。私はフロランさんに「なぜ日本のレトロゲームにこだわるのですか?」と質問してみました。フロランさんは、こんな風に答えてくれました。

「ぼくらは80年代の日本のゲームで育ちました。その時代のゲームは本当に楽しかった。そして、それらには今の進化したゲームの原点となる”何か”があると思います。僕らはそれを知りたいのです」

いや~……。なんちゅーか、考えさせられますなぁ……。

有意義な夜でした。こういう時間を与えてくださった、フロランさん、岸本さん、ありがとうございました!

 

PS:日本を訪問された「ピクセンラヴ・エディション社」スタッフの日本での滞在記録が、自社のサイトのブログにアップされているようです。→ こちらから

【追記】
フロランさん、メールありがとうございます!これからもピクセンラブ社、応援してゆきますよ!

 

2008年10月 6日 (月)

おお、懐かしい。PC版「46億年物語~THE進化論」

ニコ動で、PC98版の「46億年物語~THE進化論」のプレイ動画を見つけました。いやぁ~、懐かしいなぁ……。このゲーム、私がエニックスのいた頃にプロデュースしたものですが(ドット絵やシナリオもやってたんだよなぁ……予算も人も足りなかったから)、実は手元にソフトが残ってませんでした。98も捨てちゃったしね。もう、プレイすることも見ることも二度とないと思ってましたが、まさかこういうカタチで再会できるとは夢にも思いませんでした。アップされたミゾグチ さんは、なんでも中学生の頃にプレイされ、それから20年ぶりに再プレイされたとのこと。解説もなかなか楽しく御上手で、このゲームの魅力を引き出して下さってます。

ありがたいことです。

これも、インターネットという自由なメディアの登場で、一般の人々も自由に情報発信ができるようになったおかげなんでしょうね。 情報の共有。そんな言葉を思わず実感してしまいます。

 

【追記1】もしや?と思って検索してみたら、またも「ありがたい方」がいらっしゃいました。私がエニックスで初めて手掛けたAVGの「バーニングポイント」のプレイ動画がアップされてたのです。今、見てみると、ファミコン級のクオリティーの低さで、ちょっと恥ずかしいのですが、当時のPC88では、この程度の表現力でいっぱいいっぱいだったんですよねぇ。(8ビット機だし) スタッフも私とサウンドクリエイターを除いて全員がゲーム制作初めてだったしね。よく作れたよなぁ……。しかし、シナリオは今読んでも結構、質が高いんじゃないかな?

【追記2】で、またまた「もしや?」と思い検索してみたら、なんと!ありました。私のデビュー作であり、初のヒット作でもある「ザ・ビッグプロレスリング」が。

このゲーム、今までも静止画なんかは結構アップされてましたが、まさか11分にも渡るプレイ動画がアップされるとは思わなんだでした。う~む……こりゃ貴重ですぞ(私にとってはね)。ちなみにキャラのアニメはすべて16×32ドットのマスの中に描いたので、フォルムに無理があります。それと、SEの声ですが、すべて私です。そう、私が20代のときの声なんです。いやぁ~懐かしすぎます。

ニコ動、ありがたし!

2008年6月26日 (木)

『センス・オブ・ワンダーナイト2008』

今年のゲームショーから『センス・オブ・ワンダーナイト2008』という催しものが始まるようです。これ、簡単に言えば『今までにない斬新なゲーム企画のプレゼン大会』のようです。

で、感想……

『やっと始まったか…。こういうのが必要だったんだよ!』という感じです。

そもそも黎明期におけるテレビゲームは今のようにカテゴリー化されたものを言うのではなく、『コンピュータを使ったなんでもありの遊び』のことでした。言い換えればそれは人間のイマジネーションのシミュレーションでもあり『遊びの実験場』でもありました。ところがテレビゲーム市場が巨大化するにつれ、ゲームの中身に『市場原理』がはいりこみ、いつしかテレビゲームは『実験による遊びの可能性の追及』より、『売れるエンターテイメント商品の可能性の追及』の方が優先されるようになってゆきました。実験や冒険よりも、安定した無難な商品を!ってな感じで。(まぁ、銭儲けが商売の基本原則ですからそれも仕方ないですけどね)

でも、その結果として、当然ながら一般ユーザー(ゲームファンおたく以外のユーザーね)が安定した無難なテレビゲームに飽きはじめ、昔のようなテレビゲームに対する『わくわく』するような期待感がもてなくなり、それより、常にマウスイヤーなテンポでガツガツとイノベーションが前進しているケータイやネットの方に、その期待感を移してゆきました。(追記:ゲーム離れに関しては少子化、不景気、団塊ジュニア層ユーザーの離脱、「飽きた」等、他の要因もありますが)

で、このままではヤバイ!てな感じでDSやWiiという『ゲームハードのカンフル剤』が登場し、一般ユーザーのゲームへの期待感を引き戻してくれました。しかし、カンフル剤の効き目もそんなに長くは続かないかもしれません。ですからカンフル剤が効いている間に『ゲームソフトの新薬』を開発する必要がでてきました。ただし、その薬は『今までのものの延長線』では意味がありませんし、今さらそんなもの一般ユーザーには効かないでしょう。

そんな危機感を感じてかどうかは知りませんが、この『センス・オブ・ワンダーナイト2008』は、なかなかタイムリー(て、ゆーか必然?)な企画に感じられました。私は以前からこういうのが必要だと個人的に主張してきたので、『いよいよ、動き始めたか!』という喜ばしい気持でいっぱいです。

『今までにない斬新なゲームを!』

かつては当たり前だったけど、いつしか市場原理で片隅に追いやられてしまったそんなフレーズを、もう一度見直そうという動きは、もしかしたらテレビゲームの新しい時代の幕開けのきっかけとなるかもしれませんね。 いや、なってほしいものです。いや、ならないとマジ、ヤバイって、日本のテレビゲームは。

 

【追記】新しいテレビゲームの未来を創るのは、もちろんこれからゲーム業界を目指す若者達のはずですが、正直、かなり不安です。だって、基礎的な創作能力が鍛えられてないんだもの。(私、ゲームスクールの講師もやっているけど、かなり深刻です。それともうちのスクールだけ?) 文部科学省! これから小・中の授業で『創作系』の時間をもっと増やしたほうがいいぞ~! このままじゃ技術立国日本の座が危うくなるぞ~!(てか、もう遅かったりして…?)

 

2008年3月11日 (火)

WiiFitで遊ぶ

去年の忘年会のビンゴであたったWiiFitでしたが、「どうせ飽きるから」と放っていました。が、最近、発売されたバンダイナムコのファミリースキーに対応ということなので、ついに封印をきることにしました。
ファミリースキー

ファミリースキー

  • 出版社/メーカー: ナムコ
  • メディア: Video Game
プレイしてみましたが、スキーが好きな人にはいい感じのゲームなんでしょうかね。雰囲気が良いです。人生でスキーは1回しかやってない私もまずまず遊べました。(ただ、NPCキャラのコメントがウザイ!)
で、ついでにWiiFit付属ソフトのストレッチや筋トレをやってみました。構成は『脳トレ』とほぼ同じ。主にバランスをとることをメインにしたメニューになっていました。で、バランス年齢ですが、なんと『57歳!』。ちょっと、ショック! リアルなフィットネスに通っているせいか、筋トレはわりとどうってことないですが、ヨガが見ためよりけっこうキツイです。バランスとるのに普段使わない筋肉を使うからでしょうか? まさに、空手と太極拳の違いのようです。
で、このWiiFitをやってきて気づいたこと。 これ、家に広いリビングルームがあればノビノビできますが、狭い部屋ではイライラします。任天堂の開発の方々は皆さんお金持ちなんでしょうか? 日本の住宅事情は考えてませんね(苦笑)。
08-03-08_13-55.gif
08-03-08_14-28.gif

より以前の記事一覧