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2007年3月30日 (金)

八分咲きの花

昼食時間のことです。

何処からか『お~い、こっちで飯食えよ。コンビニで食い物でも買ってよぉ~』

――という声が聞こえてきました。声が聞こえた方向へ足を運ばせると近所にある新宿御苑の大木戸門へ行き着きました。

そこには私と同じように”声”に誘われた多くの人々が集っていました。そして、私も含め皆、その”声”の主の正体を知ることとなりました。

『すまねぇな。まだ八分咲きだけど、どうしても皆に見てほしかったのさ。 ん? 写真撮ってくれるのかい。おぅ、キレイにたのむぜ!』

江戸っ子なんでしょうか? べらんめえ調でしゃべるその花は自分に風を吹かせてポーズをとってくれました。

『俺、そんなに長ぇこと咲いてられねえんだ。気が短けぇもんでよ。だから少しでも多くの連中に見てもらいたかったさ』

また風が吹きました。風はその花の花びらを一枚もぎとって空に舞い上げました。すると、集まった人々は全員、まるで示し合わせたように、その花びらが飛んでゆく方向をいつまでも目で追い続けました。

空に向かって舞い上がる花びらの向こうから”春”がやってくるのが見えました。

 

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